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名古屋シルバーバーチ読書会

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このコーナーでは、「シルバーバーチの霊訓」やスピリチュアリズムに関わるさまざまな内容を取り上げます。

2013.7.21

7月のピックアップ――シルバーバーチの神観について

シルバーバーチの神観について

「死」と「神」は、地球人類にとっての2大テーマです。死は、人間にとって避けることのできない宿命で、人類は「死」に対する問題解決を宗教に求めてきました。そして同時に人間は、幸せな人生を送るための拠りどころとして「神」を求めてきました。

ところが、人間が長い歴史の中でつくり上げてきた神のイメージは、人間の都合に合わせた、真実の神の姿からは大きく懸け離れたものでした。時として、神は自然現象として人間の前に立ちはだかり、人間の生活に大きな影響を及ぼす恐ろしい存在として受け取られました。またあるところでは、自分たち民族だけを幸せにしてくれる神であったり、怒りに燃え復讐心に燃える神であったりと、人間サイドの勝手な想像で神の姿をつくり上げてきました。

ではここで、人類の歴史の中で神観がどのように変わってきたのか、少し流れを追って見ることにしましょう。

(*ここからは「スピリチュアリズム普及会第1公式サイトスピリチュアリズムとは スピリチュアリズムの思想[Ⅱ]1.神について(2)時代とともに進化してきた神の概念」 ↗ を参考にしてまとめています。詳細はこちらへ ↗ なお、本文編集及び掲載に関してはスピリチュアリズム普及会の許可を得ています。)

古代人が考えた神の姿

太古の人々にとっては、目に映る物体がすべてであり、それを超えた「神」を想像することはできませんでした。そのため人間を取り巻く存在物に超自然的な力が宿っていると考えたり、自然界の存在には霊魂が宿っていると考えたりしたのです。そこから太古の原始信仰では、自然界の存在物や霊魂・霊的存在を絶対的存在者とする“神の概念”がつくり出されることになったのです。シャーマニズムなどもそうした信仰の一つです。

多神教

紀元前3千年~前2千年にかけて、人類最初の本格的な文明が芽生え、エジプトやギリシャ、インドなど各地に古代文明が開化しました。そこでは天空・太陽・大地・水・火・嵐・植物などの自然界の力を神格化したさまざまな神々が崇拝され、「自然神的多神教」が現れるようになりました。ギリシャ文明の中で語られる全知全能の神ゼウスや美の女神アフロディーテ、海を司るポセイドンなどの名は、皆さんも聞いたことがあると思います。また、インドのヒンズー教ではヴィシュヌ神、シヴァ神、ブラフマー神などの多くの神を信仰し、地域や所属する集団によって非常に多様な信仰形態をとっています。

一神教

ユダヤ教やキリスト教・イスラム教がその代表です。現在では、この3つの宗教を合わせると約32億人という世界最大の信者数となります。その中でもキリスト教信者は約20億人にものぼり、世界最大の宗教となっています。イエスが2000年前に説いた教えがキリスト教として説かれているわけですが、その中での神観の特徴は「親なる愛の神」という内容です。これまでの宗教にはなかった「神は愛の存在である」ということがイエスによって初めて示されました。

スピリチュアリズムの神観(シルバーバーチが明らかにした神観)

そして20世紀に入り、スピリチュアリズムの到来によってさらに大きな変化がありました。これまでキリスト教を中心に地上の多くの人たちが信じてきた神の姿「愛の神」からさらに進んだ神観がシルバーバーチの霊界通信によって明らかにされました。人類史上の神観を一新するような画期的な内容が示されたのです。

ではシルバーバーチが明らかにした神観について5つのポイントから詳しく見ていくことにしましょう。

①創造主としての神

神は宇宙と霊界、そしてそこに存在する全ての生命体・存在物を創造された「創造主」ということです。私たち人間も神によって創造されました。この意味で神は人間にとっては「霊的親」、そして人間は神の「霊的子供」ということになります。そして、ここが重要なところなのですが、神は人間を創造されるときに、神の霊の一部分を人間一人一人に付与されました。そのために人間の内部には神と同じ分霊が内在しているのです。(分霊・ミニチュアの神)その大霊の分霊が人間の本体であり、このため人間は霊的存在者となっているのです。

こうした創造神としての神は、これまでにもさまざまな宗教でも説かれてきた内容で、その意味では新しいものではありません。しかし、人間が神の分霊を宿しそれが人間の本体である、神と人間は霊的親子関係であるという内容はシルバーバーチによってはじめて明らかにされた内容です。これは「人間の本質が霊である」というスピリチュアリズムの人間観も同時に定義しています。

②大霊としての神

神はあらゆるものをすべて包含する無限大の存在であるということです。ありとあらゆる生命の中、存在物の中に、そしてその外にも神は存在しています。神から離れて存在しているものは何一つありません。あらゆる物の中に神は内在しているのです。

③愛の始原としての神

イエスによってはじめて神が愛の存在であることが明らかにされました。そのためキリスト教は「愛の宗教」と呼ばれています。それまでの恐れ・嫉妬の神が、イエスの登場によって「親なる愛の神」という本来の姿で表現されることになりました。これは地上人類の神観の大飛躍、神観の革命ともいえるできごとでした。神は愛から人間を創造し、全人類の霊的親となりました。人間は神を共通の親とする霊的兄弟姉妹ということです。神と人間、人間同士は愛の絆によって結び付けられていることが明らかにされました。

④究極の理想・目標としての神

神によって創造された人間の分霊は、永遠の霊的成長の道をたどって、神に近づいていきます。神は人間にとって永遠に目指す目標であり、理想であるということです。

⑤摂理としての神(摂理の神)

神は摂理を設け、それを通して万物を創造し、維持し、運行し、支配するようにしました。神の完全性・絶対性・全知全能性とは、実は神の摂理の完璧性の表れなのです。すべてが摂理を通して働くので、一切の例外はありません。だからこそ完全なる公平・完全なる公正が実現されているのです。一見不公平に見えることでも、実はその後ろには原因があり、その結果として今の状態がある、それには例外はないのです。

この「摂理の神」は、シルバーバーチの神観の最大の特色で、シルバーバーチが人類史上初めて明らかにした画期的な神観です。従来の宗教における信仰を根底から覆すことになるような衝撃的な神観です。

このようにシルバーバーチが明らかにした神観は、大きく5つの内容にまとめられます。その中でも「摂理としての神」はシルバーバーチの神観の最大の特徴となっています。シルバーバーチはいたるところで「神は摂理です」と述べています。それは文字通り摂理そのものが神であるということではありません。神は摂理をつくり、その摂理を通じて宇宙・万物・人間を支配している、人間は摂理を通して神と間接的に結びついているということです。それを人間の側から見ると、神は常に摂理として現れるということになります。

これまで人類は、神と直接的な関係を持てると信じてきました。そのため神に願い事をして聞いてもらえるだろう、神は奇跡を起こして自分たちを救ってくれるに違いないと必死になって祈ってきました。しかし、それは事実ではありませんでした。だから当然奇跡も起こらず、自分たちの願い事も聞いてもらえないということになってしまったのです。

神は摂理を通して幸福を手に入れられるように、霊的成長できるように人間をつくられました。摂理にあった行いをすればよい結果がもたらされ、摂理から外れれば悪い結果がもたらされる。しかし、いったん摂理から外れてもそれを修正する方向を向かせて、新たに霊的成長の道を歩むことができる、そうした摂理までも用意してくださいました。摂理の働きは一切の例外なく機械的に働き、冷たいまでに完璧です。しかし、その冷たい摂理の後ろに神の慈愛があるということもシルバーバーチは教えてくれました。

さて、こうした「摂理の神」を知らなかったのは、なにも過去の人々だけではありません。20世紀に入ってシルバーバーチの交霊会が行われていた時でも、神と直接関係が持てると信じていた人はたくさんいたのです。いろいろな人がそれぞれに自分勝手な神様の姿を語るから、ポール君は本当の神様の姿がわからなくて困っていました。そしてシルバーバーチによって本当の神様の姿を教えてもらいました。

『シルバーバーチの霊訓―地上人類への最高の福音』3章 知識はすべて、ためになるのです ↗

そして21世紀の現在、私たちは時代の恩恵もあって、シルバーバーチの残してくれた言葉からさらに深く本質的な神の姿を知ることができるようになりました。摂理の神の意味するところ、そしてその働き、その裏にある神の人間に対する愛……こうした内容をシルバーバーチの言葉から整理をしてまとめあげることも可能となりました。本当にありがたいことだと思います。それでも多くの人々は、いまだに本当の神の姿を知りません。それゆえに無用の苦しみを背負い、つらい人生を歩んでいます。一人でも多くの人に、一刻も早くこうした本当の神の姿を知ってもらいたいですね。


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