学習のポイントと感想
「シルバーバーチの霊訓」は、これまで地上に伝えられた霊界通信の中で、最も優れたものです。「シルバーバーチの霊訓」によってもたらされた霊的真理は、質・量ともに他の霊界通信を圧倒しています。私たちの読書会では、「シルバーバーチの霊訓」をただ読むだけでなく、ポイントを絞ってシルバーバーチの示してくれた霊的真理の理解を深めていきたいと思っています。私たちが日常生活の中で、特に意識し努力しなければならないことを中心に、大霊や高級霊の思い、スピリチュアリズムの大原則などを、毎回何ヶ所か取り上げています。ここではその内容を簡単に紹介します。
2016.7.17
スピリチュアリズムの戦争・平和観
今回はこれまでと大きく視点を変えて、「スピリチュアリズムの戦争・平和観」を学習しました。参院選では、"憲法改正"が大きな焦点となっていました。私たちスピリチュアリストは、こうした問題に対してどのように関わっていったらいいのでしょうか。現実の地上世界ならではの問題を、霊的観点から眺めていきました。スピリチュアリズムの霊的真理は、あらゆるものに適用できます。地上の政治や平和に対しても同じです。21世紀の現在においても、依然としてなくならない悲劇の一つ"戦争"を私たちスピリチュアリストはどのようにとらえていったらいいのでしょうか。また、世の中で大きく取り上げられている憲法改正の問題や安保法制について、どう考えていったらいいのでしょうか。
●地上人類(地上の国家・民族)の、動物性の発現(肉主霊従)から「戦争・人殺し」が発生し、地上人類の神性の発現(霊主肉従)から「平和・調和」が生まれる
現在の地球上の人間の営みはすべて「物質中心主義・利己主義」という2つのガンの上に成り立っています。政治・経済・科学・医学・教育・宗教……どれもが物質中心主義・利己主義をベースとしてでき上がっています。そして国家・人種・民族・会社・団体といったさまざまなグループもこの2つのガンの上に成り立っています。地上のありとあらゆるもののベースが「物質中心主義・利己主義」にあるというわけです。そこでは霊的なことは後回しにされてしまう、あるいは省みることすらされていません。そのような状態を「肉主霊従」と言います。シルバーバーチは「動物性の発現」と言っています。肉主霊従(動物性の発現)
から互いに争うようになり戦争が引き起こされることになります。スピリチュアリズムの目指す神の摂理の支配する世界では、「霊中心主義・利他主義」がベースになってきます。そこでは一人ひとりの霊が発現するようになり「神性が発現」します。神性が発現するとは「霊主肉従」の状態のことです。霊主肉従の状態になると平和と調和が訪れる、すなわち戦争のない平和な世界ができ上がります。
●戦争は大霊の摂理に反する愚かな行為
- ・神が与えた生命を奪う
- ・霊的に準備ができていない者を霊界に送り込む
私たち地上で生活する人間は、いずれ死んで霊界に帰ります。死は自然現象として誰にも訪れるものです。地上でやるべきことが終われば、自然と死を迎えるようになっています。ところが戦争は私たち人間各自の事情におかまいなく生命を奪っていきます。「人殺し」なんです。自分たちの都合で人の生命に終止符を打つことは、人間には許されていません。シルバーバーチは「生命は大霊のものです」と言っています。大霊が自らの分霊を与えて誕生させてくださった存在、それが私たちです。生命は神が与えてくださったもので、私たちが作り出したものではありません。だから勝手に奪うことは許されないのです。(*それは動物でも同じです。)
そして、戦争はまだ地上で霊的成長のプロセスを歩まなければならない人間の人生にも、終止符を打っていきます。必要な体験ができないまま、霊界送りになっていく霊がたくさんいるのです。その結果霊界では、そのケアに追われることになっています。
「死ぬべき時に死ぬ」たったこれだけのシンプルなことなのに、戦争はそれをできなくさせています。
●霊的同胞意識(霊的真理に基づく利他愛の思い)が平和確立の条件
国家・民族別でなく、大霊と神の子どもという意識を優先
物質中心主義から人間を見ると、肌の色の違いや言葉の違い、習慣・文化・生活などさまざまな「違い」だけが映ってきます。利己主義から人間を見ると、自分の方が他人より上か下か、幸福かどうかという見方をしてしまいます。この2つのガンをベースとして人間を見ると、自分が他人より優れているか、幸せかという優越心を持とうとする見方しかできません。そこには人間は皆同胞であるという「同胞意識・仲間意識」というものはありません。国や民族という違いから見ている限り「同胞意識」は持てません。では、霊中心主義に立って人間を見るとどうなるでしょうか。私たち人間は、皆等しく神から分霊を与えられた霊的存在である、誰一人として例外などありません。そして利他主義に立ってみると、自分のことよりまず他人のことが大事、自分より他人を優先していこうとします。霊的真理に基づく霊中心主義・利他主義に立つことで、「人間は皆神を唯一の親とする霊的兄弟姉妹」「神を中心とする霊的大家族」という「霊的同胞意識」が持てるようになります。霊的同胞意識が当たり前になった時に地球から戦争はなくなり平和が訪れるのです。
●現実の地上世界は弱肉強食の世界であり、利他的な国はひとつもない
国を守る、国民を守るための軍事力(抑止力)は必要悪であり、それが国際常識
戦争がない世界は誰もが期待します。誰だって戦争がないほうがいいに決まっています。しかし、現実の地上の国際社会は、物質的な力のあるところが大きな支配力を持つ「弱肉強食」の世界です。全ての国家・民族・社会が"物質中心主義""利己主義"という土台の上に成り立っているのですから、当然の結果です。そしてそれを根本解決するのは「スピリチュアリズムの霊的真理の普及」しかありません。しかし、真理の普及によって地上が変わるには千年近い時が必要です。それまでは、この混沌とした世界情勢の中で、理想を掲げ理想に向かって努力をすると同時に、現実的な正しい対処をしていく必要があります。国が滅ぼされようとしている時、同胞の命が奪われようとしている時に、指をくわえて黙って見ているわけにはいかないのです。「自分たちの国は自分たちで守る」これが、現時点での国際常識であり、霊的観点から見た時の見方でもあります。その意味で、抑止力としての軍事力を持つことは決して間違いではありません。現在の地上には、利他的な国などひとつもない、利己的な国ばかりなのです。
私たちの理想は、利他愛の支配する霊中心の世界です。すなわち「霊的同胞世界」です。互いに争うこともなく、全ての生産活動は他人のためであり、他人に喜んでもらうため、そんな世界です。しかし、このような地上天国は簡単にはやってきません。長い時をかけ、一人ひとりが努力を重ね、大きな意識改革をしていく中で広がって行くしかありません。霊的覚醒をする人が一人また一人と出てくると同時に、エゴむき出しの侵略行為や破壊行為も起こり続けます――それが今の地上です。理想と現実をしっかりと見極め、心は霊界に置き、いつも霊的視点から物事を眺めていくことができるようにすることが私たちスピリチュアリストに求められています。その意味で、今の私たちスピリチュアリストは「ダブルスタンダード」をとるしかないということになります。
スピリチュアリズムは人類史上、最高最大の反戦平和運動
参加者の感想
霊的視点から見た戦争と平和についてとてもよく分かりました。地上世界から戦争をなくすのは、スピリチュアリズムによる霊的真理の普及しかない、まさにその通りだと実感しました。霊的真理に出会うのは、時期の来た人でないと出会うことができません。真理を知らない人にどのようにしたら真理を知るきっかけになることができるか考え、実行していきたいと思います。(50代男性)
私たち人間は不完全で、エゴも持ち合わせています。それが増大して戦争が起きてしまったのではないかと思います。原因は意識ですので、やはり結論として霊的真理の普及をして意識改革することなんだと思います。私たちは霊的真理をすでに学んでいるので、責任を感じます。後半に聞いた話で、平和を保つために軍事力をもっていないことに矛盾と驚きを感じました。真の平和はまだまだ年月がかかるのでしょう。(50代男性)
霊的に一人ひとり成長していくことでしか平和を築くことができないと思いました。現実の日常の社会も同じことが言えると思います。社会の物質中心的な流れに流されることにならないように、自分を霊的に見るように生活していきたいです。(50代男性)
今日はスピリチュアリズムの戦争・平和観を通して、改めて現在の地上世界がすべて物質中心主義・利己主義をベースに成り立っていることを学びました。「すべてが物質中心主義・利己主義がベース」今回この言葉の持つ深い意味に気づくことができました。自分の内にある2つのガンをゼロにすることは無理ですが、2つのガンが自分の内に存在していると「気づく」ことと「気づける」こと、まずそれを大事にして、少しずつ一つ一つガンの芽をつぶしていきたいと思いました。(40代女性)
霊的真理が多くの国家・個人に普及し、実践できる段階になるまでは、力の論理によって戦争をさせないという方法しかないのが残念です。(60代男性)
今日はスピリチュアリズムの戦争・平和観について学習しました。戦争の根底には物質中心主義と利己主義があり、霊的無知に起因するとは理解していましたが、戦争を起こす人たちが平和にしようとしていない、または争いを終わらせようとしていないというところまで気付くことができず、大きな学びとなりました。利己的な行動はどこまでも利益を追い求めてしまう大変危険な行動であることが理解できました。理想と現実を区別することは大変だと思いますが、肉主霊従に流されないようにしていきたいと思います。(30代女性)
利他的な国家がもしあるとすれば、その国は利己主義国家(すべての国)に滅ぼされてしまうでしょう。スピリチュアリストの比較的多い日本は軍事力を持たなくては、スピリチュアリズム運動も退化してしまうことになります。多くの日本人は憲法9条が守ってくれると妄想しているにすぎません。現実世界を見ると、自国を守らなければ滅ぼされてしまうことになります。この憲法を改正して自国を守らなければならないと思います。このような考え方を教育で行ってこなかったことが「平和ボケ」の日本人の大人を作ってきたと思います。教育は正しい霊的知識を持った人が行うべきだと思います。(60代男性)
地上世界の実態の中で信用できる国が一つもないことに驚きました。人々の霊的な目が少しでも開かれるとよいなと思いました。(40代女性)
スピリチュアリズムの先駆者であるイギリスであっても、イラク戦争、EU離脱計画も進めており、国益がスピリチュアリズムより優先されていることは明白です。霊的真理が国策に及ぶようになるには、長い期間がかかるということは実感できます。しかし、あきらめるわけにはいきません。微力ながらスピリチュアリズムの普及に努力したいです。(50代男性)