学習のポイント
「シルバーバーチの霊訓」は、これまで地上に伝えられた霊界通信の中で、最も優れたものです。「シルバーバーチの霊訓」によってもたらされた霊的真理は、質・量ともに他の霊界通信を圧倒しています。私たちの読書会では、「シルバーバーチの霊訓」をただ読むだけでなく、ポイントを絞ってシルバーバーチの示してくれた霊的真理の理解を深めていきたいと思っています。私たちが日常生活の中で、特に意識し努力しなければならないことを中心に、大霊や高級霊の重い、スピリチュアリズムの大原則 などを、毎回何ヶ所か取り上げています。ここではその内容を簡単に紹介します。
2012.9.16
遺稿シルバーバーチと私……モーリス・バーバネル↗
●霊言霊媒になるための準備
その頃の私は他の多くの若者と同様、すでに伝統的宗教に背を向けていた。母親は信心深い女だったが、父親は無神論者で、母親が教会での儀式に一人で出席するのはみっともないからぜひ同伴してほしいと嘆願しても、頑として聞かなかった。二人が宗教の是非について議論するのを、小さい頃からずいぶん聞かされた。理屈の上では必ずと言ってよいほど父の方が母をやり込めていたので、私は次第に無神論に傾き、それからさらに不可知論へと変わって行った。(モーリス・バーバネル)
次に私がしなければならなかったことは、この霊媒を霊的真理の理解へ向けて指導することでした。まず地上の宗教を数多く勉強させました。そして最終的には彼はそのいずれにも反発を覚えて、いわゆる無神論者になってしまいました。が、それはそれなりに当人の精神的開発にとって意味があったのです。これで霊言霊媒となるべき一通りの準備が整いました。(シルバーバーチ)
*モーリス・バーバネル自身は、自分の置かれた環境の中で無神論者になっていったと感じていました。しかし、実は背後からシルバーバーチがそうなるように導いていたということがこの2つの個所からわかります。私たちも自分の過ごしてきた人生の結果としてスピリチュアリズムにたどり着いたと思っていますが、実は背後の霊によって長い時をかけて導かれてきたのです。
●初めての霊言現象
ある夜、これといって名の知れた講演者のいない日があった。そこでヘンリー・サンダースという青年がしゃべることになった。彼はスピリチュアリズムについて、彼自身の体験に基づいて話をした。
(中略)
ところが、自分でも不思議なのだが、つい最近ニセの交霊会で不愉快な思いをさせられたばかりなのに、その日の私はなぜか反論する気がせず、こうした問題にはそれなりの体験がなくてはならないと述べ、従ってそれをまったく持ち合わせない私の意見では価値がないと思う、と言った。これには出席者一同、驚いたようだった。
(中略)
そのことがきっかけで、サンダース氏は私を近くで開かれているホームサークルへ招待してくれた。定められた日時に、私は、当時婚約中で現在妻となっているシルビアを伴って出席した。行ってみると、そこはひどくむさ苦しいところで、集まっているのはユダヤ人ばかりだった。若い者も老人もいる。あまり好感はもてなかったが、まじめな集会であることは確かだった。
(中略)
そこで再び同じ交霊会に出席して、同じような現象を見た。ところが会が始まって間もなく、退屈からか疲労からか、私はうっかり“居眠り”をしてしまった。目を覚ますと私はあわてて非礼を詫びた。ところが驚いたことに、その“居眠り”をしている間、私がレッド・インディアンになっていたことを聞かされた。
それが私の最初の霊媒的入神だった。何をしゃべったかは自分にはまったく分からない。が、聞いたところでは、のちにシルバーバーチと名乗る霊が、ハスキーでノドの奥から出るような声で、少しだけしゃべったという。その後現在に至るまで、大勢の方々に聞いていただいている、地味ながら人の心に訴える(と皆さんが言ってくださる)響きとは似ても似つかぬものだったらしい。
ある日私は、周到な準備のもとに初めて彼を交霊会へ出席させ、彼の口を使って私の意思を発言してみました。いかにもぎこちなく、内容もつまらないものでしたが、私にとっては実に意義深い体験だったのです。
その後は回を追うごとにコントロールがうまくなり、今ご覧の通りにまでなりました。今ではこの霊媒の潜在意識に邪魔されることなく、私の考えを百パーセント伝えることが出来ます。
*いつもの集まりの中で、よい印象のなかったスピリチュアリズムについて語った青年に、モーリス・バーバネルはなぜか反論する気になれなかったというのも、その後交霊会に参加するようになったのも実はシルバーバーチの周到な準備があったからでした。私たちは自分の意思で行動しているつもりでも、実はもっと大きな視点から私たちの人生を見ている守護霊・背後霊が必要な体験をするべく導いてくれているのです。モーリス・バーバネルのように霊媒でなくとも、特に心霊能力がなくとも、誰もが霊界からの導きを受けていることをしっかり心に留めておきたいものです。